2021年1月5日、東京都の新型コロナウイルスの実効再生産数は2.2を上回った。前日より0.4の増加である。急速にデルタ株からオミクロン株へと変異株の交代が進み、まさに感染第6波は空前絶後のスピードで日本を襲いつつある。2021年を振り返り、2022年のバイオを占うためにも、新型コロナパンデミックによる変化をまずは見逃すことができない。まずは新型コロナが一体何を変え、なにを変えつつあるのか?解析することから、いささか皆さんへきへきとしていると思いますが、今年のバイオの展望の口火を切ります。

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さて、新型コロナパンデミックの制圧の道筋が見えてまいりました。鍵を握るのが新型コロナウイルスの経口治療薬です。2021年10月11日、米Merck社は世界の先陣を切ってモルヌピラビルの緊急使用を米国食品医薬品局(FDA)に申請しました。フェーズ3治験では軽症患者の入院と死亡のリスクを50%削減したと発表しています。一方、我が国の塩野義製薬は北海道大学と共同開発したS-217622で急追、年内にフェーズ2/3を終え、今年度中の申請を目指しています。新型コロナ制圧の終盤を制する両者の闘いを解析します。

現在、パシフィコ横浜で開催中のBioJapan2021の会場におります。会場からの最新コラムは金曜日にお伝えいたします。昨年より来場者登録は1.7倍に増えております。是非、会場でお会いいたしましょう。

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皆さん、お元気ですか?
松山選手のゴルフ・マスターズ優勝の余韻は我が国を揺るがせています。
しかし、1年間しか優勝者の証であるグリーン・ジャケットは着用することができず、返還すると伺い、ちょっとびっくりしています。こうなれば、松山選手には連続優勝に是非とも挑戦していただきたいと願っています。3回優勝すれば、グリーン・ジャケットは交渉次第では確保し、我が国の松山選手のホームコースに飾れるのではないでしょうか?大きな挑戦です。

新型コロナ・パンデミックの第4波で大阪など関西圏は医療崩壊に瀕しています。東京も感染者が1000人に迫っており、ゴールデン・ウィーク前には冗談ではなく、緊急事態宣言を真剣に検討せざるを得ない事態です。かつてスペイン風邪の流行の時は3年間流行が収まりませんでした。mRNAワクチンのおかげで先進諸国は来年には流行を抑制できる可能性がありますが、ウイルスの変異速度次第です。暫くは憂鬱な状況が続きます。しかし、被害にあわれた方には気に障る表現になって誠に申し訳ありませんが、新型コロナ・パンデミックは悪いことだけではありません。mRNAワクチンという技術革新を実現しただけでなく、今ヒトの免疫のメカニズムの理解とそれにたいする新しい治療薬・ワクチンの開発が急速にドライブされているためです。今週、米国国立衛生研究所(NIH)はそれを象徴する新薬の治験に着手しました。ポスト・コロナの時代には、次世代の癌免疫療法、敗血症なども含めた感染症の治療薬、ワクチン、そして多分、アナフィラキシーや自己免疫疾患などの新薬開発が進むはずです。逆にこの災いを福となす努力こそが、私達の未来を明るくするのです。

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