皆さん、お元気ですか?
先週、横浜で開催したBioJapan2022にご来場いただき大変ありがとうございました。予告通り、初日の口火を切った日本製薬工業協会の岡田会長の講演を基に、海外で開発・上市された新薬(2020年)の72%が我が国で未承認である“ドラッグ・ロス“に直面する我が国の国民や製薬産業の危機感を共有させていただきます。できれば失地回復の一手もお示ししたいと考えています。まずは、我が国の製薬産業や新薬認可の惨憺たる状況をお伝えします。
https://jcd-expo.jp/ja/
新Mmの憂鬱、新薬開発品の8割がベンチャー創製、深刻なドラッグ・ロスに直面する日本国民
新Mmの憂鬱、我が国のバイオ産業を救った英雄逝く、心からありがとうございました
皆さん、お元気ですか?
思い返す度に涙が止まりません。坊主の眼にも涙です。偉大な師を失ったような、口幅ったいですが、バイオ産業をこの地に何とか成長させようという同士を失ったような。喪失感です。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)の名誉理事長、近藤達也先生が2021年9月26日午後11時に逝去なさいました。享年80歳。心から心からご冥福をお祈りいたします。実は近藤先生は、アステラス製薬の元副社長だった野口照久先生と並び、我が国のバイオ産業の成長を担保するインフラを整備した偉人です。21世紀初頭、世界が化学合成技術からバイオ技術へと創薬原理を大転換した時、我が国の製薬企業の経営者達が過去のスキル・セットに妄執するあまり、この潮流を逸してしまいました。このままでは欧米と並び新薬を世界に提供してきた我が国の製薬産業が危機に瀕する状況だったのです。下手をしたらスウェーデンのように世界と競合できる製薬企業が消える事態が起こっていても不思議ではなかったのです。実際、2008年前後には抗がん剤新薬の国際的な実用化遅れが“ドラッグ・ラグ”を生み、“癌難民”が第一次安倍内閣で政治問題化しました。我が国の創薬と審査体制の遅れが国民の命の脅威なったのです。新型コロナパンデミックでもこの問題はまだ解決しえてはいません。しかし、1年遅れですが、我が国の企業やベンチャーがワクチンや治療薬開発で急追しています。近藤先生のPMDA理事長就任(2008年)が無ければ、我が国のバイオ産業の急追すら到底期待できなかったのです。