新年早々、大汗を掻き、頭をかきむしって、2021年のバイオ動向をまとめ、今年のバイオの最新潮流を見通す作業もこのメールで完結いたします。バイオの広範な技術突破と欧米日中のバイオベンチャーの意欲的な挑戦によって、更には1990年代半ばから始まったインターネットの普及による知識交換の飛躍的なスピード向上によって、バイオ・イノベーションの勢いは加速、更に大きな奔流となって医療や創薬産業を揺さぶっております。それでも今回まとめたのはレッド・バイオのみです。経団連の十倉会長が2022年1月12日のバイオ関連団体合同セミナーで指摘した「ゴレンジャー」、つまりレッドにホワイトバイオ、ブルーバイオ、グリーンバイオ、グレーバイオを加えた技術突破まではまとめきれませんでした。しかし、世界は持続可能な経済発展という矛盾をはらんだ課題に今年は大胆に更に踏み込もうとしています。今回の記事に加えて、是非残りのヨンレンジャーにも今年は是非とも目配り願います。きっと近い将来合成生物学が創薬産業にも活用時代が来ると確信しています。今回の3回にわたる連載では以下の22のバイオ最新潮流を解説いたしました。可能な限り、連載を完読していただくようお願いいたします。

今年もワクワクするような変化に満ちた年になることは間違いありません。新Mmの憂鬱でその最新情報を皆さんと共有することを楽しみにしております。どうぞ今年もご愛読願います。

2022年バイオの新潮流22
●新型コロナが変えたバイオ研究開発
新Mmの憂鬱、これを知らなきゃ明日はない、バイオの最新潮流2022(1)

●ADHELM騒動とその後
●新たな創薬資源、集団ゲノム解析から新薬誕生
●PPIの実用化が一段と進む、KRAS阻害剤発売
●薬剤耐性の輪廻から離脱か?アロステリック阻害剤誕生
●中分子医薬の曙
●ADC(抗体薬剤複合体)の実用化ラッシュ
●次世代抗体の進化
●AAV遺伝子治療の停滞とそれを打破する試み
●たった一人の患者のための創薬始まる
新Mmの憂鬱、これを知らなきゃ明日はない、バイオの最新潮流2022(2)

●DTxの離陸とDXの製薬業への浸透
●モダリティや創薬標的としてmRNAに脚光
●次世代の癌免疫療法の勃興
●固形癌細胞療法に技術突破と血液癌で次世代のCAR-T細胞出現
●他家再生医療の実用化
●肥満治療薬の開花
●AI創薬に雪崩を打って参入
●in vivoゲノム編集治療でPOC
●富士フイルムの創薬事業からの撤退
●バイオベンチャー上場ブーム
●生命現象の場としての液液相分離に注目
●大学ファンド10兆円だけはない。生命科学研究費源の多様化が始まる

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今朝ほど、京都大学本庶名誉教授、経団連の十倉会長、バイオインダストリー協会の中山理事長の新春鼎談の司会を終えたところです。読者の中にはライブでご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思います。多士済々の議論はとても面白くためになりましたが、十倉会長から「バイオはゴレンジャー」という発言には思わず吹き出してしまいました。レッドバイオ(医薬)、ホワイトバイオ(化学・エネルギー)、ブルーバイオ(海洋)、グレーバイオ(環境)、グリーンバイオ(農業)と確かにバイオテクノロジーの応用は急拡大していました。10年前のホワイトバイオ・ブームは原油価格の下落によって鎮静化してしまいましたが、21世紀の今は国民の考えたたが変わり、持続可能性や環境保全に大きな価値を置くようになりました。加えて、ゲノム解析やゲノム編集技術、そして情報処理・AI技術の浸透によって、合成生物学も現実の工業生産に投入されるようになったのです。今や原油価格に左右されないゴレンジャー・バイオが成立できる条件が整ったと考えるべきなのです。レッドバイオの事業化に偏った我が国のバイオも2022年をきっかけに、欧米のようにバランスのよいバイオの発展の形に変わっていくと確信しました。「全産業にバイオを!」。今年の良きスローガンです。
さて、新春企画の第二弾をお届けします。頭をかきむしってこの1年のバイオの発展を振り返り、2022年のバイオを展望しようと願っています。今年は以下のバイオ新潮流22を指摘したいと思います。項目数が多いので、前号から3号に渡って解説いたします。どうぞお付き合い願います。

2022年バイオの新潮流22
●新型コロナが変えたバイオ研究開発
→新Mmの憂鬱、これを知らなきゃ明日はない、バイオの最新潮流2022(1)
https://miyata-bio.net/column/0000121/
●ADHELM騒動とその後
●新たな創薬資源、集団ゲノム解析から新薬誕生
●PPIの実用化が一段と進む、KRAS阻害剤発売
●薬剤耐性の輪廻から離脱か?アロステリック阻害剤誕生
●中分子医薬の曙
●ADC(抗体薬剤複合体)の実用化ラッシュ
●次世代抗体の進化
●AAV遺伝子治療の停滞とそれを打破する試み
●たった一人の患者のための創薬始まる
→今号はここまでを論じます。
●DTxの離陸とDXの製薬業への浸透
●モダリティや創薬標的としてmRNAに脚光
●次世代の癌免疫療法の勃興
●固形癌細胞療法に技術突破と血液癌で次世代のCAR-T細胞出現
●他家再生医療の実用化
●肥満治療薬の開花
●AI創薬に雪崩を打って参入
●in vivoゲノム編集治療でPOC
●富士フイルムの創薬事業からの撤退
●バイオベンチャー上場ブーム
●生命現象の場としての液液相分離に注目
●大学ファンド10兆円だけはない。生命科学研究費源の多様化が始まる
→2022年1月17日号に掲載予定

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皆さん、お元気ですか?

全豪オープンは私の贔屓であるクビトバ選手、ムルグッサ選手、シフィオンテク選手、そして錦織選手、ティエム選手が相次いで敗れ、関心は大坂選手とジョコビッチ選手に集中する羽目になりました。しかも、ジョコビッチ選手は私同様右わき腹を痛めており、実力がどこまで発揮できるか分からない状態だと伝えられています。全くはらはらです。フェイクニュースであることを祈りつつ、ナダル選手との決勝戦を期待しております。

2021年1月29日、富士フイルムは我が国の再生医療のパイオニアであるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)をTOBであっさりと帝人に売却してしまいました。同社は保有していたJ-TECの50.1%の株式を約170億円で売り払い、受託細胞製造と培地などの再生医療支援事業に集中するというのです。このニュースに「我が国の再生医療は大丈夫なのか?」そんな声も聞こえてきました。また訳の分からぬ分析記事もネット上には垂れ流されています。しかし、分析するとその背景には再生医療商業化の主役の明確な交代がありました。素人に近い新規参入大手企業から、再生医療を大手製薬企業が真剣に取り組むモダリティ―へと成長したのです。玄人の再生医療の時代の始まりです。その号砲が鳴りました。

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