皆さん、お元気ですか?
新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しく願います。本日のバイオ関連団体賀詞交換会も満員でしたね。経済は流動的ですが、ともあれ明るく充実した年にいたしましょう。引き続き、ご愛読願います。
●宮田 満のバイオ・アメイジング 1月23日15時からオンライン(無料)
老化を遅らせる作用を持つタンパク質ERp18の発見
永田 和宏 氏(JT生命誌研究館館長、京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授)
線虫でERp18を働かせなくすると、人換算で11.4歳、寿命が短くなりました。一体どういうことか?永田先生に詰め寄ります。下記より詳細にアクセス、お申込み願います。
https://www.jba.or.jp/event/erp18/
●LINK-J一押イベント 1月17日 12時から13時 無料ZOOM
歯を生え薬開発のベンチャー企業、トレジェムバイオファーマの喜早社長をお招きして、革新的な医薬品の可能性について議論します。実は同社はWnt/βカテニン系のシグナル伝達調節抗体のライブラリー開発も行っています。皆さんの質疑にも時間内に全部お答えしたいと願っております。奮って下記よりご登録願います。
https://www.link-j.org/event/article-44875.html
昨年米国で認可された新薬は59製品でした。内訳はバイオ医薬が32新薬(54.2%)、低分子医薬が27新薬(45.8%)です。バイオ医薬は多様性に富んでいます。抗体医薬(Fc融合蛋白も含む)17新薬、ペプチド・蛋白製剤が5新薬、細胞医薬・再生医療等製品が4新薬、遺伝子治療と核酸医薬がそれぞれ3新薬、認可されていました。残念ながら我が国では米国との認可のタイミングの遅れと、申請件数のギャップ(いわゆるドラッグロス)が存在します。近年は欧米のベンチャー企業が積極的に日本法人を設立、我が国での自社販売に取り組んでいます。円安も後押しした格好だが、こうした小規模企業の日本市場参入が希少疾患など発生しているドラッグロスを解決する一助になるでしょう。しかし、我が国の政府はドラッグロス解消と医薬品のサプライチェーン確保にもっと腐心しなくてはならないと思います。創薬ベンチャー・エコシステムがやっと回り始めました。こうした支援は国際的にも競争力を持っており、昨年採択された課題では、京都大学発ベンチャーShinobiが西海岸に本社を移したものの、高金利の米国に比べて我が国の方が創薬支援の資金獲得チャンスが高いと、このプログラムに応募してきたほどです。今年も、我が国政府の支援によって、創薬基盤の充実とバイオ・ベンチャー支援に資金投入されることを期待しています。
以下、今年のバイオ・医薬開発で注目すべき17最新潮流から4つを解説いたします。
2025年の注目すべき17のバイオ・医薬の新潮流 | |
1 | AI創薬の再興 |
2 | AI創薬による低分子化学合成技術の連鎖的なイノベーション |
3 | ADCに殺到する製薬企業とその限界 |
4 | ポストADCに躍り出た放射性医薬品 |
5 | アルツハイマー病治療用抗体にダークホース登場 |
6 | 脳内に薬剤を送り込むDDS開発競争 |
7 | 希少疾患からブロックバスターに成長する遺伝子治療 |
8 | 中分子開発競争の目玉は抗肥満薬 |
9 | 2重、3重、多重特異性を追求するバイオ医薬・中分子医薬 |
10 | 固形癌で成果が出始めた癌免疫療法 |
11 | 細胞から組織移植に発展する再生医療 |
12 | In vivoのゲノム編集治療の急展開 |
13 | アンサンブル創薬 |
14 | 併用・固定用量併用製剤の増加 |
15 | 2Dバイオから3Dバイオ研究の萌芽 |
16 | 悩ましい米国製薬市場 |
17 | 今年のバイオ・ベンチャーを占う |