新Mmの憂鬱、ノーベル賞の闘い、ゲノム編集特許最終紛争始まる

皆さん、お元気ですか?

テニス全仏オープンは女子が準決勝まで進んでまいりました。皆さんにご注目いただきたいのは、ポーランドが生んだ19歳の新鋭、イガ:スフィオテク選手(名前の表記が難しい)です。次々と強豪をストレートで破り、とうとう準決勝まで勝ち上がりました。この選手はテニスの打ち方を変えてしまうかもしれません。かつて、スライスやフラットが主流だったテニスが、スウェーデンのビヨン・ボルグ選手が登場したことによってトップ・スピンの時代がはじまったように。まだ、正式な名前はついていないようですが、スフィオテク選手は体幹を強く捻り、その捻り戻しの力で鋭い打球をライジングで相手のコートに叩き込みます。無駄なく鋭い球が、相手に時間を与えずに撃ち込まれるため、返球が極めて難しい。特にそのフォアの打ち方に注目していただきたい。一見、体に連れて鋭く振られる腕が打球を打つ格好はペンギンのようなスウイングです。強い打球を打つために振りかぶって、体重移動して打つという定石を打破、非常にコンパクトな鋭い振りによって強く回転量の多い打球を打つというコペルニクス的転換を遂げようとしているのです。彼女がグランドスラムを取ったら、テニスが変わると確信しています。私も見かけはそっくりのペンギンショットでありますが、これは体幹の捻りがなく、手でパタパタ振っている、つまり手打ちに過ぎません。体幹の捻りに挑戦するには半世紀ほど時計を巻き戻す必要があるのです。

◎利益相反
宮田総研の合弁会社、㈱ヘルスケアイノベーション(HCI)が創成したHCI1号ファンドには大手製薬企業2社と商社が出資、年末までに最終出資締め切りを行います。同ファンドが投資を決定した企業は現在ありませんが、逐次報告します。こうした企業群に関する執筆内容には利益相反が存在することをご承知願います。

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昨日(2020年10月7日)、ノーベル化学賞がゲノム編集技術(CRSPR- Cas9)の発明者であるドイツMax Planck Unit for the Science of PathogensのEmmanuelle Charpentier教授と米California大学(UC)Berkeley校のJennifer A. Doudna教授に与えられました。受賞理由はゲノム編集技術の開発です。しかし、この二人とCRISPR-Cas9によるゲノム編集技術の開発を競っていた米Broad InstituteのFeng Zhang教授の名前は、ノーベル化学賞2020の記者発表には一行も触れられていないのです。完全に学問的な業績としては無視されたといってよいでしょう。しかし、実用化の鍵を握る特許紛争ではZhang教授有利の判断が、先月(2020年9月10日)、米国特許審査控訴裁判所が下しております。これに不服のCharpentier教授(発明時に在籍していたオーストリアVienna大学)とDoudna教授(UC Berkley校)のグループが提訴し、二回目の発明の前後を問う審議(インターフェアランス)が始まりました。今度は実験ノートや多数の研究者を召喚して、徹底的にゲノム編集の最初の発明者は誰であるか?を洗い出す、最終特許紛争が始まったのです。

◎参考リンク
https://twitter.com/miyatamitsuru/status/1313790913315889157

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