皆さん、お元気ですか?
錦織選手が全仏オープンの三回戦に進みました。しかし、一回戦から連続してフルセットの果ての勝利です。観ている方も眠気と戦う必要がありました。いい加減にすっきりストレートで勝たないと、身体と体力面のリスクが増加します。試合後の記者会見で「テニスは面倒くさい競技だ」と本音を漏らした錦織選手ですが、手術後の回復には試合を重ね、試合勘と体力を戻すことが肝心です。このグランドスラムの試練を耐えて、全盛期に少しでも近づいていただきたいと願っています。しかし、第五セット目の勝率は他の選手を圧倒しており、錦織選手の粘り強さには本当に心から敬服しています。これにハード・ウエアが追い付いたら最強の選手になるかもしれません。もっともそれに許された時間がわずかしかないのが残念です。

昨日は新型コロナのワクチン接種の予約を取るためにてんてこ舞いで、本日メール送信となりました。何とか8月にはいよいよ出張にも安心して行けるようになれると喜んでおります。リモート会議は全世界の人々とインタビュー可能で誠に便利ですが、ジャーナリストは現場を踏むことを忘れては御終いです。

2021年5月28日に菅内閣官邸の健康・医療戦略推進本部の第5回再生・細胞医療・遺伝子治療開発協議会が開催されました。そこで協議会の議論の中間まとめ(というほぼ最終案)が提示されました。中間まとめはいつも通り、利益代表の意見を取りまとめたもので、今後じっくり読んで解説する価値があるかどうか判断しますが、その会議に提出された科学技術振興機構研究開発センター(JST-CRDS)の資料が秀逸で、今回はこれを紹介したいと思っています。現在の再生医療と遺伝子治療の全貌をほぼ把握できる資料となっています。本来ならば、この現状を咀嚼して10年から20年後の世界の研究開発を見通し、そこからバック・キャスティングして戦略を立てなくてはなりません。JST-CRDSの資料は明確に、in vivo(体内)とex-vivo(体外)の遺伝子治療でブロック・バスター(売り上げ1000億円超)の医薬品が誕生したことを示していました。遺伝子治療を素直に、核酸医薬に続くポスト抗体医薬のモダリティとして認めねばならぬのです。我が国の製薬企業は準備ができているでしょうか?我が国に遺伝子治療のベンチャーは育っているでしょうか?

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから

皆さん、お元気ですか?
アトレチコ・マドリードがバスクの雄、アスレチック・ビルバオに1:2に敗れたため、1試合少ないバルセロナに2点差まで迫られ、事実上の首位陥落です。前号のメールで嘆いたことが現実になってきてしまいました。シメオネ監督がバラバラになったチームをもう一度一つにまとめないと、今シーズン3位に終わる可能性すら出てきました。

2021年4月27日、アステラス製薬は、連鎖性ミオチュブラーミオパチー*(XLMTM)の遺伝子治療薬(AAV8ベクター)AT132の臨床開発の遅れを理由に、588億円の減損処理を発表しました。2020年10月の予想には含まれない特別損失が発生、2021年3月期の決算にダメージを与えました。同時に昨年12月に開発を中止した免疫チェックポイント阻害薬ASP8374(抗TIGIT抗体)に関しても、302億円の特別損失を計上、相次いだ開発中止によってのれん代(企業の買収価格と時価純資産の差)の負担が大きくのしかかった格好です。アステラスはAT132の開発企業、米Audentes Therapeutics社を2019年12月に3300憶円で、ASP8374を開発した米Potenza Therapeutics社を2018年12月に188億円で、それぞれ買収していました。オープン・イノベーションの掛け声によって国内外の企業が、バイオベンチャーの買収に走っていますが、パイプラインの確保だけを狙った買収が、製薬企業に研究開発費以上の大きなリスクを孕ませることが露わになったのです。そして、このリスクはビッグデータに基づくAI創薬の時代になると、更に膨らむであろうと懸念しています。皆さん、オープン・イノベーションを見直す時が来たのです。

*ミオチュブラーミオパチー:生直後あるいは乳児期より、顔面を含む全身筋緊張低下を主症状とする遺伝性筋疾患。
【参照】
ミオチュブラーミオパチー 概要 – 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから

皆さん、お元気ですか?
女子テニス、アデレード国際(Adelaide International 2021)で、私の一押しの選手、Iga Swiatek選手が女子シングルスで優勝しました。昨年の全仏オープンに続き、2勝目を記録しました。彼女のテニスは未来のテニスを示すものです。親友の大阪なおみ選手とグランドスラムの決勝で相まみえることも近いと確信しています。是非、ご注目願います。

前回のメールでは安全だと信じられていたレンチウイルス・ベクターの神話が崩壊し、exo vivo(体外)遺伝子治療が試練に直面していることを報道しました。そして今回は2012年、欧州で世界初の遺伝子治療製剤「Glybera」の商品化成功によって、in vivo(体内)遺伝子治療用ベクターの本命として浮かび上がり、そのご実用化を着々と進めてきたアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが直面している問題を取り上げます。肝臓に対する傷害のリスクと製造キャパシティの限界。いずれも遺伝子治療の実現を阻む第四の試練です。

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから

皆さん、お元気ですか?
日本のオリンピック委員会の委員長交代騒動は、我が国が世界からガラパゴス化しつつあることを改めて確認する事件となりました。そのドミノ倒しで、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に再任された丸川珠代参議院議員は、実は自民党の中では先端科学に理解ある数少ないライフサイエンスやゲノム医療のエンジンでもありました。Covit-19のワクチンの手配などに駆けずり回っていたのです。開催挙行あるいは中止、どちらに転んでも批判殺到のポジションであります。早速本日発行の週刊誌に夫婦仲を論われておりますが「毎日ご飯作っているのに、そんなこと言われる筋合いはない」と反論をいただきました。3月2日には製薬協のシンポジウムで講演するようです。こんなことを言うと叱られますが、幸いオリパラ担当大臣は比較的暇。是非とも本業の先端医療への力添えもお忘れなく願いたいと思います。

脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」が我が国でも2020年5月21日に発売されました。スイスNovartis社の発表によれば、ゾルゲンスマの世界売り上げは9億ドル。間違いなく今年は1000億円の売り上げを上げる遺伝子治療初のブロックバスターに成長いたします。これで遺伝子治療市場も大きく飛躍すると期待していたのですが、好事魔多し。安全性が高いと考えられていたレンチウイルスベクターで、白血病1例とその前駆症状といわれる骨髄異形成1例が発生しました。米食品医薬品局(FDA)は、2021年2月22日、米bluebird bio社に鎌状赤血球床の遺伝子治療薬「LentiGlobin」のP3治験を中断する命令を下しました。また、欧州医薬品庁(EMA)は同ベクターを使用して条件付き承認を得ていた地中海貧血(βサラセミア)の遺伝子治療薬「ZYNTEGLO」の承認を更新することを停止すると発表しました。

まだ、因果関係は明確に証明された訳ではありませんが、安全だと思われていたレンチウイルスベクターにも安全性の懸念が浮かび上がってきたのです。もちろん、どんな医薬品にも副作用はあります。問題はその原因を追究し、それを管理できるかです。遺伝子治療が広く適用されるモダリティとして普及するための産みの苦しみが始まったのです。

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから