皆さん、お元気ですか?
小児希少疾患は儲からないと未だ考えている読者は頭を切り替えなくてはなりません。日本新薬は2021年11月12日に2022年3月期(2021年度)第2四半期決算説明会を開催しました。21年上期の経常利益は222億5000万円、20年上期(112億4800万円)に比較、約倍増したと発表したのです。国産第一号のアンチセンスDNA薬「ビルテプソ」(ビルトラセン)の米国での承認に伴って獲得した小児希少病疾患優先審査バウチャーの他社への譲渡金が経常を押し上げました。少なくとも今年はビルテプソの売り上げ以上の利益を確保しました。希少小児疾患開発を加速するこのインセンティブを我が国の製薬企業やベンチャーは積極的に活用すべきなのです。
新Mmの憂鬱、日本新薬、経常倍増、小児希少疾患治療薬開発の密やか且強力な旨味
新Mmの憂鬱、核酸医薬の離陸、今月にも第二のブロックバスター
皆さん、お元気ですか?
英国からリーガエスパニョーラのエイバルにこの夏に移籍した武藤嘉紀選手が、とうとうゴールを第11節のベティス戦で叩き込みました。これでなかなか得点を挙げられなかった、鬱憤を一気に晴らし得点を重ねて欲しいと思います。武藤選手の嬉しそうな表情に思わず笑みがこぼれました。
さて本題です。抗体医薬に続き、核酸医薬市場の本格的な離陸が起こりつつあります。DDS(医薬送達システム)の開発がまだネックですが、この問題が突破できれば、急速に市場を拡大、抗体医薬に型を並べる可能性があるのです。欧米市場の関係者は今月固唾を飲んで核酸医薬の第二の、そしてsiRNA医薬では初のブロックバスターとなる「Leqvio」(inclisiran、スイスNovartis社)の米国医薬品局と欧州医薬庁の認可を待っています。一部報道ではイタリアにある製造拠点の査察が新型コロナウイルスの流行のため後れており、来年にずれ込むという予想もあります。P3治験で圧倒的な効果を示したため、販売認可はまず間違いありません。新型コロナのメッセンジャRNA(mRNA)ワクチンの緊急認可に加えて、来年はこの他数品目の核酸医薬の販売認可も予定されており、2021年は核酸医薬の年となりそうです。我が国でも初の核酸医薬「ビルテプソ」(ビルトラルセン、アンチセンスDNA)が2020年5月に発売されました。日本新薬が国立精神神経研究センター共同開発の成果です。これについては詳しく続報いたします。我が国の製薬企業は抗体医薬で出遅れた轍を踏んではなりません。日本の核酸化学の強さを梃に、是非世界市場に打って出ていただきたいと願っています。