新Mmの憂鬱、元祖癌遺伝子産物KRAS阻害剤、とうとう迅速承認獲得、BB化必至

皆さん、お元気ですか?
全仏オープン・テニス大会が終幕しました。前回のメールでナダル選手優勝必至と予測いたしましたが、世の中まったく予想通りには参りません。準決勝でなんとジョコビッチ選手が3:1でナダル選手後撃破、決勝では2セット、新鋭のチチパス選手に先取されましたが、フルセットの結果、大逆転で優勝をもぎ取りました。優勝トロフィーの授与式の挨拶で「やるべきことはすべてやった」とぼそっと話したチチパス選手の憮然とした表情が全てを物語っていました。ジョコビッチ選手の強さは異次元でした。最初の2セットでチチパス選手の戦略と戦術、心理と身体のコンディションまで解析し終わったジョコビッチ選手の反撃はまったく見事。回り込んだ逆クロスのフォアハンド・ストロークを封じ、チチパス選手は自滅に追い込まれました。きっと心の底から恐怖を味わったはずです。テニスはまったく残酷なスポーツですね。私が弱い理由も納得です。隣人同士が殺戮する戦乱続いたセルビアから這い上がって来たジョコビッチ選手の強靭な精神の足下にも及びません。

癌の分子標的薬のターゲットとして発見から40年、阻害剤開発が試みられてきたKRAS阻害剤がとうとう認可されました。米Amgen社が開発した「LUMAKRAS」(ソトラシブ)が2021年5月28日に米国で抗がん剤として迅速承認を獲得したのです。今回はaducanumabとは異なり臨床上の有用性(抗癌作用)が明確に治験フェーズ2(CodeBreaK 100試験)のデータで示されています。2001年5月にイマチニブが米国で承認されて始まった癌分子標的薬の第2幕が上がりました。今まで、新薬開発が困難であった癌遺伝子群に対する阻害剤の開発にも拍車がかかりました。2021年4月28日にはアムジェンが我が国にも製造承認申請をしたばかりです。

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