皆さん、お元気ですか?
我が国政府は癌と希少疾患の患者、10万人を対象とした全ゲノム解析プログラムを粛々と進めています。しかし、読者の皆さんには今時、10万人を解読しても国際的には自慢にならないと思っている方も多いのではないでしょうか?現在、今年6月に自民党の骨太の方針に盛り込むべく、全ゲノム解析等実行計画ロードマップ2022の策定が先月から着手されたところです。「今なら100万人ゲノムじゃないの?」という疑問もでてきます。確かにプロジェクトのスケール感とスピードには課題が山積みです。しかし、一見古色蒼然たるゲノムプロジェクトにも、よく見ると2つの大きな進歩の種が存在していました。本日は我が国の国家10万人ゲノム解析プロジェクトで見つけた宝物(余禄)を二つご紹介いたしましょう。

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから

皆さん、お元気ですか?
東京オリンピックは福島で本日から始まりました。日本の女子ソフトボール・チームはコールドゲームで勝ちました。誠に幸先が良いですが、新型コロナの感染爆発の危機を孕んだオリンピックが無事に開催できるかは、まだ予断を許しません。しかし、事務局と政府の迷走著しく、開会式ではたった3日間で作曲された新曲か、今までの楽曲の転用でお茶を濁す有様です。真夏の東京で、オリンピックの迷走を楽しむ心境にまで皆さんもなかなか悟りを開けないのではないでしょうか?

かつてこのコラムで日本の宝と賞賛した東北メディカル・メガバンクの価値に我が国の製薬企業群もやっと気が付いたようです。産学連携で、15万人のゲノム・コホートの参加者の中から10万人の全ゲノムを解析するプロジェクトが2021年3月にスタートしたことを、2021年7月7日七夕に発表があったのです。このプロジェクトを実現するエンジンとなったのは、グローバル・ファーマに成長した武田薬品でした。いろいろ問題を抱えつつも、新薬開発における各国・地域ごとの集団ゲノム解析の重要さを認識したことは、世界の常識に追いついた企業であることの証明ともなりました。深く感謝したいと思います。この常識が我が国の製薬業界でも早急に当たり前になることを祈っています。

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから

皆さん、お元気ですか?
最後の2試合を、スアレス選手のゴールによって、連続逆転勝ちして、とうとうアトレチコ・マドリードがリーガ・エスパニョーラの優勝を勝ち取りました。万歳です。年齢を理由に、バルセロナから放擲されたスアレス選手が自分はまだ優勝をもぎ取れる実力があることを見せつけた試合でした。優勝の歓喜に沸くアトレチコの同僚の隣で、ピッチ上に足を投げ出し、携帯電話で家族(多分)と話しながら泣きじゃくるスアレス選手の姿には心揺さぶられました。本当に良かった。バルサの前会長の選手をヒトとも思わない扱いが諸悪の根源でした。自分の命を削りながらより高みを目指している才能をスポーツでも、ビジネスでも、アカデミアでも大切にしなくてはなりません。

現在、地球上の多分300万人以上のゲノム解析データが蓄積されていると推定しています。神様が生んだ人類ゲノムの多様性のデータです。もし、このデータと疾病や健康関連情報が紐づけられれば、私達は治療法のない疾患の治療標的や予防標的を発見できることができると、予言めいたことを唱え続けてきましたが、とうとうその実例が出てきました。2021年2月11日に米国で、そして近く欧州でも販売認可される「Evkeeza」(evinacumab-dgnb)が、集団ゲノム解析から生まれた最初の医薬品であると考えています。今後、続々と集団ゲノム研究から新薬が誕生する可能性があります。さらに、東京大学らと中外製薬が最近発表した免疫プロファイリング技術を組み合わせることで、正常蛋白質の量的な変動によって生じる疾患(全疾患の93%相当、HAP-MAPプロジェクトより)の治療・予防標的の解明も進むと思います。免疫プロファイリング技術については回を改めてお伝えいたします。いずれにせよ、私達の統合オミックス研究が加速することにより、新薬開発がどんどん進む段階に入ったのです。今頃、治療標的が枯渇していると嘆くことは、まったくの時代遅れになりつつあることを知らなくてはなりません。

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから

皆さん、お元気ですか?
錦織選手、まことに惜しい敗戦でした。全仏オープンテニスの前哨戦であるATP1000マドリード・オープンの男子シングルス2回戦で世界ランキング6位のアレクサンダー・ズブレフ選手にストレートで敗れました。しかし、試合を見る限り互角のストロークの打ち合いでした。勝敗を分けたのはファースト・サーブの威力と確率の差だったと思います。全仏オープンにも優勝は無理でしょうが、健闘は期待できると思います。応援いたしましょう。

まずは、本日、中外製薬と理研、東大医科研のグループが発表した論文を紹介します。自己免疫疾患の患者の血球のトランスクリプトームとその患者のGWAS(全染色体上の1塩基置換)のデータを組み合わせたカタログを作成しました。現在のところ世界最大のデータです。これによって、自己免疫疾患を生じる遺伝的は背景とフェノタイプ(自己免疫)のパスウェイを明確に記述することができると考えています。とにかく労作です。今後、ゲノム変異プロファイルに加えて、免疫のプロファイルを合わせて患者や個人の疾病感受性を判断する個の医療ver.2.0が始まることを示唆したと考えています。現在、取材を申し入れていますので、続報をご期待願います。個の医療の進化は止まりません。詳しくは下方のリンクをご参照願います。
しかし、なんと米国食品医薬品局(FDA)はこれを上回るガイダンスを出してきました。それをよく読むとたった一人とか二人の患者の希少疾患を対象としたアンチセンス核酸医薬の開発を本気で目指していたのです。とうとう私達は究極の個の医療の実現を目撃できる時代に突入したのかも知れません。

ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。

会員登録はこちらから