新Mmの憂鬱、米国政府、200億円でヒト・ゲノム変異機能解析コンソ立ち上げ

皆さん、お元気ですか?
ヒト・ゲノム研究は2003年に終わったのでは?と思っている読者も多いとは思いますが、米国政府は実に粘り強く、ヒト・ゲノム研究を医療の革新に繋げるために多様なプログラムをまだまだ立ち上げています。ヒト・ゲノムのDNA配列を解読したのが、2003年だと考えると、これはヒトの生命の分子的なメカニズムを解読するための“ロゼッタ・ストーン”を手に入れる前段階に過ぎません。単に30億塩基のDNDの配列、しかもたった3人のゲノム配列を記述できたからといって、その意味はほとんど解釈しえなかったのです。つまり、ほとんど医療には役に立たなかったのです。ヒト・ゲノム解析の成果を医療に活用するために、米国政府はトランスクリプトームやプロテオーム、ヌクレオ―ムなどマルチオミックス解析と組み合わせ、ようやっとヒト・ゲノムの謎を解くデータ・ベース、つまりヒト・ゲノムのロゼッタ・ストーンを、100万人から1000万人規模の集団ゲノム解析と経時列の個人ごとの健康データを除き、ほぼ構築し終えたのです。そして満を持して2021年9月、米国国立衛生研究所ヒト・ゲノム研究所が立ち上げを発表したのが、ゲノム変異が生命機能に与える影響解析(Impact of Genomic Variation on Function:IGVF) コンソーシアムだったのです。ヒト・ゲノム研究をもう一歩、革新的な医療、そして人類の幸福に近づける試みです。

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