皆さん、お元気ですか?
日本のオリンピック委員会の委員長交代騒動は、我が国が世界からガラパゴス化しつつあることを改めて確認する事件となりました。そのドミノ倒しで、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に再任された丸川珠代参議院議員は、実は自民党の中では先端科学に理解ある数少ないライフサイエンスやゲノム医療のエンジンでもありました。Covit-19のワクチンの手配などに駆けずり回っていたのです。開催挙行あるいは中止、どちらに転んでも批判殺到のポジションであります。早速本日発行の週刊誌に夫婦仲を論われておりますが「毎日ご飯作っているのに、そんなこと言われる筋合いはない」と反論をいただきました。3月2日には製薬協のシンポジウムで講演するようです。こんなことを言うと叱られますが、幸いオリパラ担当大臣は比較的暇。是非とも本業の先端医療への力添えもお忘れなく願いたいと思います。

脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」が我が国でも2020年5月21日に発売されました。スイスNovartis社の発表によれば、ゾルゲンスマの世界売り上げは9億ドル。間違いなく今年は1000億円の売り上げを上げる遺伝子治療初のブロックバスターに成長いたします。これで遺伝子治療市場も大きく飛躍すると期待していたのですが、好事魔多し。安全性が高いと考えられていたレンチウイルスベクターで、白血病1例とその前駆症状といわれる骨髄異形成1例が発生しました。米食品医薬品局(FDA)は、2021年2月22日、米bluebird bio社に鎌状赤血球床の遺伝子治療薬「LentiGlobin」のP3治験を中断する命令を下しました。また、欧州医薬品庁(EMA)は同ベクターを使用して条件付き承認を得ていた地中海貧血(βサラセミア)の遺伝子治療薬「ZYNTEGLO」の承認を更新することを停止すると発表しました。

まだ、因果関係は明確に証明された訳ではありませんが、安全だと思われていたレンチウイルスベクターにも安全性の懸念が浮かび上がってきたのです。もちろん、どんな医薬品にも副作用はあります。問題はその原因を追究し、それを管理できるかです。遺伝子治療が広く適用されるモダリティとして普及するための産みの苦しみが始まったのです。

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皆さん、お元気ですか?

昨夜のチチパス選手の笑顔は忘れられません。4時間を超えるフルセットの激闘の末、見事なバックハンドの一撃により、全豪オープンでこれまで絶好調だったナダル選手を仕留めたのです。第一、第二セットを簡単にナダル選手が奪取、もう負けたと思った試合でした。しかし、ふっきれたのか、第三セットから鋭いストロークとサービスが決まりだし、とうとう全豪オープンの準決勝に駒を進めることができました。実はもっと忘れられないことが耳に残っています。最後の1ポイントを決めた時に、無観客のドームスタジアムに鳴り響いたチチパス選手の父親が上げた勝利の雄たけびです。まさに、父パス、、、、、でした。

新型コロナ・パンデミックの影響で世界の実態経済が低迷、各国の財政出動や金融緩和によって支えられた株式市場だけが異様な盛り上がりを見せています。そんな異常事態がバイオ産業には幸いしつつあります。どうやら2020年はバイオ産業にとって最高の年となった模様です。米国のメディアBioworldの調査によれば、2020年にバイオ産業は全世界で1340億ドル(約14兆1879億円)もの投資資金を確保することに成功しました。そのほとんどが研究開発投資に回ることを考え、加えて新型コロナによって世界は新薬やワクチン、そして診断薬開発の重要性を深く認識したことも考えると政府や慈善団体からの投資も増加するはずです。つまり、ここ5年から10年のバイオや生命科学の研究を加速させるガソリンが、バイオ産業に注入されたのです。未来がますます楽しみになってまいりました。

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皆さん、お元気ですか?

全豪オープンは私の贔屓であるクビトバ選手、ムルグッサ選手、シフィオンテク選手、そして錦織選手、ティエム選手が相次いで敗れ、関心は大坂選手とジョコビッチ選手に集中する羽目になりました。しかも、ジョコビッチ選手は私同様右わき腹を痛めており、実力がどこまで発揮できるか分からない状態だと伝えられています。全くはらはらです。フェイクニュースであることを祈りつつ、ナダル選手との決勝戦を期待しております。

2021年1月29日、富士フイルムは我が国の再生医療のパイオニアであるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)をTOBであっさりと帝人に売却してしまいました。同社は保有していたJ-TECの50.1%の株式を約170億円で売り払い、受託細胞製造と培地などの再生医療支援事業に集中するというのです。このニュースに「我が国の再生医療は大丈夫なのか?」そんな声も聞こえてきました。また訳の分からぬ分析記事もネット上には垂れ流されています。しかし、分析するとその背景には再生医療商業化の主役の明確な交代がありました。素人に近い新規参入大手企業から、再生医療を大手製薬企業が真剣に取り組むモダリティ―へと成長したのです。玄人の再生医療の時代の始まりです。その号砲が鳴りました。

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2月9日に公開した記事で、iPS細胞由来の網膜組織のあだ名を神楽と記述しましたが、蕪(カブラ)の間違いでした。ここに訂正いたします。網膜組織のイメージは下記をご覧願います。
https://twitter.com/miyatamitsuru/status/1359291681745477634

新型コロナに対する戒厳令のような緊張感をもって、全豪オープンが始まりました。しかし、錦織選手を始め我が国の男子選手4人(西岡良仁、杉田祐一、内山靖崇、ダニエル太郎)が相次いで一回戦で全員討ち死に。女子も土居美咲選手と日比万葉選手が一回戦で敗退しましたが、大坂なおみ選手と日比野菜緒選手が二回戦に進出。今後の興味はこの二人に絞られてきました。昨年の全仏王者で大阪選手の親友でもあるシフィオンテク選手との対戦が非常に楽しみになってきました。

以前、STAP細胞事件で不幸にもお亡くなりになった理化学研究所発生・再生科学総合研究センター長笹井芳樹副センター長(当時)に、マウスES細胞から培養して創り上げた脳の切片を見せてもらったことがありました。綺麗に細胞が重層化しまさに中枢神経組織が構築されていました。残念なことに、当時の私は浅学で天才を見抜けなかった。アートだとは思いましたが、これが到底再現性がある技術になるとは思わず記事にしなかったのです。このことを2014年夏以来悔いていました。しかし、笹井副センター長の研究室に2008年から4人もの研究員を送り込んでいた住友化学・大日本住友製薬は粛々と研究開発を水面下で継続してきました。そしてとうとう網膜組織をiPS細胞から工業的に製造、2020年10月に患者に移植する医師主導臨床研究を開始したのです。まさに笹井副センター長の弔い合戦の狼煙を上げたのです。

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いよいよプロテニス・シーズンが始まりました。最大の注目は右肩の負傷から4か月の治療を経て復帰した錦織選手の動向です。今年の出来次第では引退という囁きも聞こえてくるはずです。
その初戦となったATPカップ(オーストラリア・メルボルン)で錦織選手(世界41位)と世界4位のメドベージェフ選手が激突、2-6、4-6で残念ながら錦織選手が敗れました。しかし、新型コロナの感染などにより練習時間が殆ど取れなかったにしては、上出来な負け方でした。メドベージェフ選手はビッグ3を脅かす伸び盛りの新鋭であり、戦術の巧妙さといい、ショットの鋭さといい、粘り強い守備力といい、現在、世界トップの選手です。復帰すぐにこのスコアは復活の良い兆候だと考えています。

今や我が国の人工透析の医療費は1兆5000億円以上に上ります。高齢化と糖尿病患者の増加により、人工透析の対象となる慢性腎不全の患者の増大は避けられません。腎臓は若さを決める主要臓器でもあります。高齢化によるアンチエイジング市場の拡大に対応するためにも、慢性腎不全や腎機能の改善は今後のバイオテクノロジーの大課題となると考えております。そして、なんとその問題解決のヒントがネコの研究から確信を得られたのです。皆さんは、ネコやライオン、チーターなどは腎不全を発症するとほとんどの場合、生命を落とすことをご存じでしたか? 我が国の研究者が発見したAIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)が、ヒトもネコも救う可能性が出てきました。

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1月31日のラ・リーガ第21節、アトレティコ・マドリードVSカディス戦は4-2で快勝しました。試合自体はカディスが頑張り、堅守を誇ったアトレティコのディフェンス陣の要、トリッピアー選手が賭博で10週間の出場停止を余儀なくされ、押し込まれる苦戦を強いられました。しかし、頼りになるフォワード、スアレス選手がフリーキックで先制点を入れると状況が一変、一度はカディスに追い付かれますが、最終的には4-2で止めを刺しました。今月から中盤のカラスコ選手も復帰し、ますますアトレティコの独走が強まりそうです。バルセロナではメッシ選手に遠慮してフリーキックを蹴っていなかったスアレス選手が5年振りに得点、それを見たアトレティコのシメオネ監督が大笑いしていたのが印象的でした。連勝は止まりそうにありません。

昨年11月の日経FTアジア感染症会議で政府分科会の尾身会長は「我々は準備不足というハンデを負って、新型コロナ対策を強いられている」と嘆きました。それでは日本全体がこのパンデミックに準備不足だったのでしょうか? 実は神奈川県の湾岸エリアの研究機関や企業は例外的にパンデミックのためのイノベーションを継続、その成果が対策に結実しつつあるのです。実際、新型コロナワクチン接種のシミュレーションも川崎市で行われました。準備不足、危機管理不足は日本人の体質ではない証左です。今の政府や多数の自治体の怠業に過ぎないのです。私達は神奈川県の東京湾臨海部から大いに学ばなければなりません。

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新型コロナの影響はプロスポーツにも及んでいます。リーガ・エスパニョーラの象徴ともいえるチーム、バルセロナの負債総額が明らかになりました。なんと、11億7300万ユーロ(約1478億円)。唸りたくなるような数字ですが、新型コロナの流行が欧州を襲った2019/2020年度の収入は8億5500万ユーロ(約1077億円)と前年比14%も収入が減りました。2020/2021年度の見通しはさらに減って8億2800万ユーロ(約1043億円)にとどまります。これも極めて楽観的な見通しです。クラブの立て直しのためには、有力選手を他のチームに売却せざるを得ず、昨年、離脱を表明したメッシ選手の去就が焦点とならざるを得ません。

いろいろな疑問が頭の中を駆け巡っておりますが、このところの最大の疑問は、何故私が厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会の委員を昨年から拝命したか?です。皆さん、邪推は禁物ですぞ。多分、日経・FT感染症会議を7年前から運営しているのが理由ではないかと思っています。実は1964年の東京オリンピック開催後に我が国で梅毒の流行がありました。オリンピックの選手や観客で世界中から元気な人間が集まることによる副反応です。この対策を検討するのだとお受けしましたが、オリンピックの延期によって小委員会の開催も延び延びとなり、2021年1月26日にやっと開催されました。そしてそこで諮られた議案は、何と新型コロナ流行による保健所におけるAIDS検査(スクリーニング)の事実上の凍結の打開策だったのです。テレビなどでは重症患者を受け入れる病棟不足が叫ばれていますが、新型コロナの影響は我が国の感染症などの公衆衛生の要であった保健所の機能パンクによって、ボディブローのように我が国の疾病管理に影響を与えつつあるのです。背筋が冷たくなりました。

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ラ・リーガ第19節、アトレチコ・マドリードは古豪バレンシアに1点先行されましたが、鮮やかに逆転、3:1で快勝しました。34歳の誕生日を迎えたスアレス選手が、技ありのインサイドキックのカーブボールを角度の無いゴールに流し込みました。全く素晴らしい、これで今節、レッドカードで試合に出られないメッシ選手を抜いて、得点ランキングトップに躍り出ました。勘の悪いクーマン監督のせいで、スアレス選手を放出したバルサファンの血圧は上がるばかりですな。

再生医療の産業化は第二段階に進んだ!
2021年1月20日午後、神戸医療産業都市推進機構と神戸市が主催した再生医療産業化フォーラム2021 in 日本橋で、パネルディスカッションの座長をして実感しました。考えてみれば日本再生医療学会も今年で20周年を迎えます。どんなに驚くような技術突破も、生命科学の分野ではICTとは異なり理論通りでは予測できないヒトの多様性の壁を乗り越えて、安全性と有効性、そして商業的な安定生産を実現する必要があります。20年の歳月が必要なのです。とうとうやってきた、再生医療の実用化の第二段階は一体どんな変化に直面するのか? 専門家の討議から抽出してみました。

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バドミントンといい、卓球といい、女子の日本一を争う決勝戦はすさまじいライバル同士の戦いとなりました。バドミントンの日本一を決める全日本総合選手権では、世界ランキング4位の奥原希望選手が世界3位の山口茜選手を接戦で下し、日本一となりました。また、全日本卓球選手権では、石川佳純選手が大逆転で伊藤美誠選手を破り、優勝を飾りました。伊藤選手は勝敗が決まった後、10分間も立ち上がれず「現実とは認められなかった」と敗戦のコメントを出すほどの接戦でした。もともとファンだった石川選手の涙にも、うるっときてしまいました。しかし、二つの決勝戦を見て、お互いを高めるためにはライバルが不可欠の要素であることを思い知らされました。しかも、この二組のライバルがお互いに相手をリスペクトしていることもすがすがしい。日本に世界一を争う可能性のあるライバルが存在する幸せをきっと感じているはずです。

再生医療の産業化は第二段階に進んだ!
2021年1月20日午後、神戸医療産業都市推進機構と神戸市が主催した再生医療産業化フォーラム2021 in 日本橋が、タイトルの意に反して完全オンラインで開催されました。最後のパネルディスカッションの座長を務めさせていただき、最先端を走るパネリストのご協力で、再生医療の産業化が次の段階に進んだことがくっきりと表れたとても面白い議論を展開できました。この内容を皆さんにお伝えしようと筆を執っていたら、何と同日、厚生労働省の再生医療等評価部会が、神戸市立神戸アイセンター病院が申請していた他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液による網膜色素上皮不全症の治療効果を確認する臨床研究を承認してしまったのです。iPS細胞の実用化で果敢に先陣を切ってきた網膜色素上皮の臨床応用が、安全性確認から有効性確認へと進んだことを意味します。再生医療産業化フォーラムの内容は来週お伝えすることにして、急ぎこの臨床研究の意味を検証いたします。

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スペイン・サッカーの国王杯を争うスーペルコパと前回書いたのは、お恥ずかしいことに誤りでした。スペイン国王杯とスーペルコパは独立のカップ戦でした。申し訳ない。昨日の早朝に、バルセロナVSアスレチック・ビルバオのスーペルコパ決勝戦が行われました。なんと大方の予想を裏切って、2:3でビルバオがバルセロナを倒してしまったのです。この試合のビルバオは、バレンシアを突如馘(くび)になった傷心の新監督が率いていました。しかし、この新監督の采配が当たりました。ボールの保持率はほぼ互角、しかもシュート数では大幅にバルセロナを上回りました。ディフェンスとオフェンスの切り替えも素早く、選手は献身的に動き回っていたのです。ここまでやられたら、バルセロナもお手上げです。最後にメッシ選手が余計なファールを犯してレッドカードを食らうなど、リーグ戦や国王杯にも祟るさんざんな結果となってしまいました。

Aducanumabに対し米食品医薬品局(FDA)諮問委員会が認可推奨を蹴飛ばして以来、米Eli Lilly社の抗Aβ抗体、DonanemabのP2治験の好成績で少し期待をつないだアルツハイマー病のAβ治療標的仮説ですが、そんなことをしなくても、音と光を使って毎日1時間、中程度のアルツハイマー病患者を刺激するだけで、Aβやタウ蛋白質の脳内蓄積の減少と認知機能改善を成し遂げることができるかもしれません。驚くべきことに、FDAはこのActive GammaSense Stimulation System(AGSSS)やGamma Entrainment Using Sensory stimuli(GENUS)と名付けた治療用医療機器にブレークスルー・セラピー医療機器(BT医療機器)の認定を、2020年1月13日に与えてしまったのです。ひょっとしたらアルツハイマー病の治療戦略を根本的に変えてしまうかもしれません。

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