皆さん、お元気ですか?
昨夜行われたマドリード・ダービーは間違いなく、今シーズンのリーガエスパニョーラの優勝チームを決める天王山でありました。結果は、開始早々、見事なスアレス選手のアウトサイドキックが、キーパーの脇腹をすり抜けゴール。そのまま一進一退が続き、両チームのキーパーの美技が鋭いゴールを再三防ぎ、緊張感が継続する好ゲームとなりました。贔屓のアトレチコが、レアル・マドリードをこれで突き放すかと思った後半終了間際、これまた見事なゴール前の崩しで、ベンゼマ選手が得点。1:1の引き分けに終わりました。レアルは首の皮一枚で、優勝争いに残りました。「美しい試合になる」とアトレチコのシメオネ監督が記者会見で予言した通り、夢のような試合でした。

前回のメールで経口GLP-1作動薬「リベルサス」(デンマークNovoNordisk社)を紹介しました。この時は組換え蛋白質初の経口剤というDDSに焦点を当てた記事だったのですが、なんとこの記事を配信した2021年3月4日に米Eli Lilly社が、リベルサスの主薬(セマグルチド)を含む「オゼンピック」(皮下注製剤)を比較薬としたLilly社の次世代GLP-1作動薬trizepatideのP3治験(SURPASS-2)の結果を発表したのです。きわめて厳しい戦いが次世代のGLP-1作動薬を巡り行われている渦中に先週のコラムは図らずも巻き込まれてしまいました。インクレチン(摂食すると消化管からGLP-1やGIPが分泌されインスリンの分泌を促がす作用)作動薬こそが、今後の糖尿病治療の主役となると確信しています。何故なら、インクレチン作動薬は血糖値を下げるだけでなく、体重も正常化するためです。糖尿病の原因である過剰なカロリー摂取を調整してくれる根本治療となる可能性があると思います。オゼンピックにインクレチン作動薬の市場の優占を許したLilly社は、GLP-1とGIPのダブル作動薬、tizepatideを反撃の武器として逆襲に出たのです。果たして、この戦いの帰趨はどうなるのか?ドキドキしながら見ていると、意外な結果が、、、、。

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皆さん、お元気ですか?
バルセロナは死なず。退潮著しいバルセロナですが、意地を見せました。2021年3月3日に行われたスペイン国王杯で、アディッショナル・タイムで追いつき、延長戦で3:0で勝利、ホーム&アウェイ合計で3:2でセビージャを突き放しました。これで決勝進出を決めました。しかし、ピケ選手のヘディングが決まらなかったら、、、、。誠にきわどい試合でした。

まさか、組換え蛋白質医薬を経口投与できる日が、こんなに早く来るとは思いませんでした。

2021年2月5日、ノボノルディスクファーマが経口GLP-1(グルカゴン様ペプチド1、Glucagon-Like Peptide-1)受容体作動薬「リベルサス」を我が国で発売しました。世界初の経口吸収を可能とした組換え蛋白質医薬です。既に我が国の糖尿病患者の7割がGLP-1受容体作動薬(インクレチン)を投与されており、巨大な糖尿病薬市場を揺るがせるインパクトもあります。インクレチンは、血糖を下げるだけでなく、体重の正常化も促す薬効もあり、急速に糖尿病市場で存在感をましつつあります。でも、何故、経口投与が可能になったのでしょうか・先月、ノボノルディスクはその秘密を明らかにしました。今日はそのエッセンスをお伝えいたします。

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皆さん、お元気ですか?
女子テニス、アデレード国際(Adelaide International 2021)で、私の一押しの選手、Iga Swiatek選手が女子シングルスで優勝しました。昨年の全仏オープンに続き、2勝目を記録しました。彼女のテニスは未来のテニスを示すものです。親友の大阪なおみ選手とグランドスラムの決勝で相まみえることも近いと確信しています。是非、ご注目願います。

前回のメールでは安全だと信じられていたレンチウイルス・ベクターの神話が崩壊し、exo vivo(体外)遺伝子治療が試練に直面していることを報道しました。そして今回は2012年、欧州で世界初の遺伝子治療製剤「Glybera」の商品化成功によって、in vivo(体内)遺伝子治療用ベクターの本命として浮かび上がり、そのご実用化を着々と進めてきたアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが直面している問題を取り上げます。肝臓に対する傷害のリスクと製造キャパシティの限界。いずれも遺伝子治療の実現を阻む第四の試練です。

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皆さん、お元気ですか?
日本のオリンピック委員会の委員長交代騒動は、我が国が世界からガラパゴス化しつつあることを改めて確認する事件となりました。そのドミノ倒しで、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に再任された丸川珠代参議院議員は、実は自民党の中では先端科学に理解ある数少ないライフサイエンスやゲノム医療のエンジンでもありました。Covit-19のワクチンの手配などに駆けずり回っていたのです。開催挙行あるいは中止、どちらに転んでも批判殺到のポジションであります。早速本日発行の週刊誌に夫婦仲を論われておりますが「毎日ご飯作っているのに、そんなこと言われる筋合いはない」と反論をいただきました。3月2日には製薬協のシンポジウムで講演するようです。こんなことを言うと叱られますが、幸いオリパラ担当大臣は比較的暇。是非とも本業の先端医療への力添えもお忘れなく願いたいと思います。

脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」が我が国でも2020年5月21日に発売されました。スイスNovartis社の発表によれば、ゾルゲンスマの世界売り上げは9億ドル。間違いなく今年は1000億円の売り上げを上げる遺伝子治療初のブロックバスターに成長いたします。これで遺伝子治療市場も大きく飛躍すると期待していたのですが、好事魔多し。安全性が高いと考えられていたレンチウイルスベクターで、白血病1例とその前駆症状といわれる骨髄異形成1例が発生しました。米食品医薬品局(FDA)は、2021年2月22日、米bluebird bio社に鎌状赤血球床の遺伝子治療薬「LentiGlobin」のP3治験を中断する命令を下しました。また、欧州医薬品庁(EMA)は同ベクターを使用して条件付き承認を得ていた地中海貧血(βサラセミア)の遺伝子治療薬「ZYNTEGLO」の承認を更新することを停止すると発表しました。

まだ、因果関係は明確に証明された訳ではありませんが、安全だと思われていたレンチウイルスベクターにも安全性の懸念が浮かび上がってきたのです。もちろん、どんな医薬品にも副作用はあります。問題はその原因を追究し、それを管理できるかです。遺伝子治療が広く適用されるモダリティとして普及するための産みの苦しみが始まったのです。

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昨夜のチチパス選手の笑顔は忘れられません。4時間を超えるフルセットの激闘の末、見事なバックハンドの一撃により、全豪オープンでこれまで絶好調だったナダル選手を仕留めたのです。第一、第二セットを簡単にナダル選手が奪取、もう負けたと思った試合でした。しかし、ふっきれたのか、第三セットから鋭いストロークとサービスが決まりだし、とうとう全豪オープンの準決勝に駒を進めることができました。実はもっと忘れられないことが耳に残っています。最後の1ポイントを決めた時に、無観客のドームスタジアムに鳴り響いたチチパス選手の父親が上げた勝利の雄たけびです。まさに、父パス、、、、、でした。

新型コロナ・パンデミックの影響で世界の実態経済が低迷、各国の財政出動や金融緩和によって支えられた株式市場だけが異様な盛り上がりを見せています。そんな異常事態がバイオ産業には幸いしつつあります。どうやら2020年はバイオ産業にとって最高の年となった模様です。米国のメディアBioworldの調査によれば、2020年にバイオ産業は全世界で1340億ドル(約14兆1879億円)もの投資資金を確保することに成功しました。そのほとんどが研究開発投資に回ることを考え、加えて新型コロナによって世界は新薬やワクチン、そして診断薬開発の重要性を深く認識したことも考えると政府や慈善団体からの投資も増加するはずです。つまり、ここ5年から10年のバイオや生命科学の研究を加速させるガソリンが、バイオ産業に注入されたのです。未来がますます楽しみになってまいりました。

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全豪オープンは私の贔屓であるクビトバ選手、ムルグッサ選手、シフィオンテク選手、そして錦織選手、ティエム選手が相次いで敗れ、関心は大坂選手とジョコビッチ選手に集中する羽目になりました。しかも、ジョコビッチ選手は私同様右わき腹を痛めており、実力がどこまで発揮できるか分からない状態だと伝えられています。全くはらはらです。フェイクニュースであることを祈りつつ、ナダル選手との決勝戦を期待しております。

2021年1月29日、富士フイルムは我が国の再生医療のパイオニアであるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)をTOBであっさりと帝人に売却してしまいました。同社は保有していたJ-TECの50.1%の株式を約170億円で売り払い、受託細胞製造と培地などの再生医療支援事業に集中するというのです。このニュースに「我が国の再生医療は大丈夫なのか?」そんな声も聞こえてきました。また訳の分からぬ分析記事もネット上には垂れ流されています。しかし、分析するとその背景には再生医療商業化の主役の明確な交代がありました。素人に近い新規参入大手企業から、再生医療を大手製薬企業が真剣に取り組むモダリティ―へと成長したのです。玄人の再生医療の時代の始まりです。その号砲が鳴りました。

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2月9日に公開した記事で、iPS細胞由来の網膜組織のあだ名を神楽と記述しましたが、蕪(カブラ)の間違いでした。ここに訂正いたします。網膜組織のイメージは下記をご覧願います。
https://twitter.com/miyatamitsuru/status/1359291681745477634

新型コロナに対する戒厳令のような緊張感をもって、全豪オープンが始まりました。しかし、錦織選手を始め我が国の男子選手4人(西岡良仁、杉田祐一、内山靖崇、ダニエル太郎)が相次いで一回戦で全員討ち死に。女子も土居美咲選手と日比万葉選手が一回戦で敗退しましたが、大坂なおみ選手と日比野菜緒選手が二回戦に進出。今後の興味はこの二人に絞られてきました。昨年の全仏王者で大阪選手の親友でもあるシフィオンテク選手との対戦が非常に楽しみになってきました。

以前、STAP細胞事件で不幸にもお亡くなりになった理化学研究所発生・再生科学総合研究センター長笹井芳樹副センター長(当時)に、マウスES細胞から培養して創り上げた脳の切片を見せてもらったことがありました。綺麗に細胞が重層化しまさに中枢神経組織が構築されていました。残念なことに、当時の私は浅学で天才を見抜けなかった。アートだとは思いましたが、これが到底再現性がある技術になるとは思わず記事にしなかったのです。このことを2014年夏以来悔いていました。しかし、笹井副センター長の研究室に2008年から4人もの研究員を送り込んでいた住友化学・大日本住友製薬は粛々と研究開発を水面下で継続してきました。そしてとうとう網膜組織をiPS細胞から工業的に製造、2020年10月に患者に移植する医師主導臨床研究を開始したのです。まさに笹井副センター長の弔い合戦の狼煙を上げたのです。

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いよいよプロテニス・シーズンが始まりました。最大の注目は右肩の負傷から4か月の治療を経て復帰した錦織選手の動向です。今年の出来次第では引退という囁きも聞こえてくるはずです。
その初戦となったATPカップ(オーストラリア・メルボルン)で錦織選手(世界41位)と世界4位のメドベージェフ選手が激突、2-6、4-6で残念ながら錦織選手が敗れました。しかし、新型コロナの感染などにより練習時間が殆ど取れなかったにしては、上出来な負け方でした。メドベージェフ選手はビッグ3を脅かす伸び盛りの新鋭であり、戦術の巧妙さといい、ショットの鋭さといい、粘り強い守備力といい、現在、世界トップの選手です。復帰すぐにこのスコアは復活の良い兆候だと考えています。

今や我が国の人工透析の医療費は1兆5000億円以上に上ります。高齢化と糖尿病患者の増加により、人工透析の対象となる慢性腎不全の患者の増大は避けられません。腎臓は若さを決める主要臓器でもあります。高齢化によるアンチエイジング市場の拡大に対応するためにも、慢性腎不全や腎機能の改善は今後のバイオテクノロジーの大課題となると考えております。そして、なんとその問題解決のヒントがネコの研究から確信を得られたのです。皆さんは、ネコやライオン、チーターなどは腎不全を発症するとほとんどの場合、生命を落とすことをご存じでしたか? 我が国の研究者が発見したAIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)が、ヒトもネコも救う可能性が出てきました。

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1月31日のラ・リーガ第21節、アトレティコ・マドリードVSカディス戦は4-2で快勝しました。試合自体はカディスが頑張り、堅守を誇ったアトレティコのディフェンス陣の要、トリッピアー選手が賭博で10週間の出場停止を余儀なくされ、押し込まれる苦戦を強いられました。しかし、頼りになるフォワード、スアレス選手がフリーキックで先制点を入れると状況が一変、一度はカディスに追い付かれますが、最終的には4-2で止めを刺しました。今月から中盤のカラスコ選手も復帰し、ますますアトレティコの独走が強まりそうです。バルセロナではメッシ選手に遠慮してフリーキックを蹴っていなかったスアレス選手が5年振りに得点、それを見たアトレティコのシメオネ監督が大笑いしていたのが印象的でした。連勝は止まりそうにありません。

昨年11月の日経FTアジア感染症会議で政府分科会の尾身会長は「我々は準備不足というハンデを負って、新型コロナ対策を強いられている」と嘆きました。それでは日本全体がこのパンデミックに準備不足だったのでしょうか? 実は神奈川県の湾岸エリアの研究機関や企業は例外的にパンデミックのためのイノベーションを継続、その成果が対策に結実しつつあるのです。実際、新型コロナワクチン接種のシミュレーションも川崎市で行われました。準備不足、危機管理不足は日本人の体質ではない証左です。今の政府や多数の自治体の怠業に過ぎないのです。私達は神奈川県の東京湾臨海部から大いに学ばなければなりません。

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新型コロナの影響はプロスポーツにも及んでいます。リーガ・エスパニョーラの象徴ともいえるチーム、バルセロナの負債総額が明らかになりました。なんと、11億7300万ユーロ(約1478億円)。唸りたくなるような数字ですが、新型コロナの流行が欧州を襲った2019/2020年度の収入は8億5500万ユーロ(約1077億円)と前年比14%も収入が減りました。2020/2021年度の見通しはさらに減って8億2800万ユーロ(約1043億円)にとどまります。これも極めて楽観的な見通しです。クラブの立て直しのためには、有力選手を他のチームに売却せざるを得ず、昨年、離脱を表明したメッシ選手の去就が焦点とならざるを得ません。

いろいろな疑問が頭の中を駆け巡っておりますが、このところの最大の疑問は、何故私が厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会の委員を昨年から拝命したか?です。皆さん、邪推は禁物ですぞ。多分、日経・FT感染症会議を7年前から運営しているのが理由ではないかと思っています。実は1964年の東京オリンピック開催後に我が国で梅毒の流行がありました。オリンピックの選手や観客で世界中から元気な人間が集まることによる副反応です。この対策を検討するのだとお受けしましたが、オリンピックの延期によって小委員会の開催も延び延びとなり、2021年1月26日にやっと開催されました。そしてそこで諮られた議案は、何と新型コロナ流行による保健所におけるAIDS検査(スクリーニング)の事実上の凍結の打開策だったのです。テレビなどでは重症患者を受け入れる病棟不足が叫ばれていますが、新型コロナの影響は我が国の感染症などの公衆衛生の要であった保健所の機能パンクによって、ボディブローのように我が国の疾病管理に影響を与えつつあるのです。背筋が冷たくなりました。

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