皆さん、お元気ですか?
ウィンブルドンが始まりました。しかし、Londonも雨模様で、濡れた芝はスリッピィです。昨夜行われた試合で、2セット選手して芝の王者、フェデラー選手を追い詰めたフランスのアドリアン・マナリノ選手も、芝のコートで足を取られ、あえなくリタイアする羽目に陥りました。「彼が勝つ可能性もあった。僕は幸運だった」とフェデラー選手が試合後のインタビューで率直に答えていました。あれほど転ばないジョコビッチ選手も初戦でころころ転んでおりました。今年の芝の調子は今後の勝ち上がりに微妙な影響を与えるでしょう。実はEdinburghの芝コートでテニスした経験があります。まったく球は弾まないし、滑るし厄介なコートでした。芝コートを愛する英国人の気が知れません。

今週の火曜日までオンラインで開催されていた日本核酸医薬学会第6回年会で、第一三共が2021年3月からフェーズ1/2治験に入った新型コロナの国産mRNAワクチン、DS-5670の詳細がとうとう発表されました。その内容を速報でお知らせいたします。米Pfizer社・独BioNTech社と米Moderna社のmRNAワクチンよりひょっとしたら優れているかも知れないという内容でした。国産バイオ技術も捨てたもんじゃありません。

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皆さん、お元気ですか?
国別の欧州サッカー選手権UEFA-EURO2021は異常な盛り上がりを示しています。新型コロナの影響でクラブチームの財政が悪化、クラブの試合の質は今シーズンは今一つでしたが、ナショナルチームの国家対抗となると話は別です。昨夜のハンガリーVCドイツ戦は強豪のドイツにハンガリーが先行、このままでは決勝リーグ進出に黄色信号が灯ったドイツがギリギリで追いつく2:2の展開となりました。しかし、ドイツのラーブ監督は、疲れてきたハンガリーに対して、選手を次々と交代させ、マークの混乱を起こさせ、同点に追いつくという離れ業を示しました。誠に凄い監督でした。

さて新型コロナで世界中がバイオや先端医学研究の研究予算の増強に走っています。前回のメールで米国が健康高等研究計画局(ARPA-H)を創設することをお伝えしました。そうなると我が国の政府の動向が気になりますが、今年度の予算の目玉は10兆円の大学ファンドです。凋落著しい我が国の大学の研究をこれで立て直せるか?調べてみると大いなる矛盾が存在しており、下手をすると我が国の基礎研究力の息の根を止めかねない危険があることが判明、この懸念が杞憂に終わることを祈り、皆さんと共有いたします。

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皆さん、お元気ですか?
ウィンブルドンの予選が始まっています。今朝、贔屓の選手が予選敗退したニュースが届きました。ポスト錦織選手を狙う若手選手の本選出場を願っているのですが、今年は実現しそうにありません。加えて、ナダル選手が出場辞退を発表しており、全仏を途中棄権してまで備えている芝の王者であるフェデラー選手とチチパス選手やズべレフ選手など若手急成長選手の闘いが焦点となりそうです。世代交代が実現するか?注目です。

新型コロナ・パンデミックの影響は至る所で姿を現しつつあります。アメリカ同時多発テロ事件(9.11)の後、バイオテロ対策の予算が急増し、感染症やワクチンを開発するバイオ企業が多数誕生しました。当時、衰退の極みであった感染症研究が復活し、バイオ技術革新が浸透した結果、新型コロナ対策の基盤を形成しました。今回の新型コロナ・パンデミックで米国は基礎研究予算を20%増額、加えて3年間で65億ドルもの予算を投入、健康・医学研究成果の産業化の橋渡しをする健康高等研究計画局(ARPA-H)の設立に踏み切りました。Science誌2021年6月22日号にその概要が投稿されました。ARPA-Hのお手本は防衛力強化を図るための国防高等研究計画局(DARPA)。インターネットやGPSの実用化に成功した実績を誇ります。新型コロナ・パンデミックで感染症や医療が国家の安全に深く影響することを認識した結果です。我が国でも対応を誤ると、米中にバイオテクノロジーの研究開発で更に水を開けられる危険性があります。経産省・文科省・厚労省の縦割りに戻ったかの如き第二期の日本医療研究開発機構と内閣府が取りまわす10兆円(最終的に)大学ファンドの在り方を再吟味する必要があると考えています。このままで良い訳がありません。

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皆さん、お元気ですか?
今日は梅雨の晴れ間。ゲノム編集トマトが急速に伸びてきたので、吸引という畑仕事で汗をかきました。筑波大学が開発、サナテックシードが商業化したゲノム編集トマトです。ゲノム編集によって神経伝達物質のGABAの含有量を増量しています。農学部付属高校出身ですから、農業の大変さは知っていたつもりですが、たった4株のトマトのお世話をするのにも息を切らしております。農民の方々には尊敬しかありません。ゲノム編集農産物の社会受容の鍵を握るサナテックシードの社長のインタビューを近く掲載する予定です。彼の発想は、組換え農産物の社会受容が難渋した我が国の沈滞を打破すると期待しています。既に5000人、協和キリンの元社長の松田さんもゲノム編集トマトを栽培しています。この俄か農民の口コミと生産物であるGABAトマトへの愛情が、なんでも反対派の感情的な議論を終息させるのではないでしょうか?

新型コロナの非常事態宣言下にも関わらず、中外製薬は自社開発した抗CD137抗体(STA551)と抗PD-L1抗体「テセントリク」(アテリゾズマブ)を併用したファースト・イン・マン試験に2021年4月上旬に着手しました。抗CD137抗体で先行する米Pfizer社を逆転する秘策こそ、STA551でした。この抗体は中外世代の第三世代抗体誘導体であるスウィッチ抗体技術によって開発されたもの。その開発の契機は、癌治療に第4の柱である癌免疫療法を切り開いた抗CTLA-4抗体「ヤーボイ」(イピリムマブ)でした。きっと壮絶に楽しいお話があると推察して、開発の当事者にインタビューしました。

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全仏オープン・テニス大会が終幕しました。前回のメールでナダル選手優勝必至と予測いたしましたが、世の中まったく予想通りには参りません。準決勝でなんとジョコビッチ選手が3:1でナダル選手後撃破、決勝では2セット、新鋭のチチパス選手に先取されましたが、フルセットの結果、大逆転で優勝をもぎ取りました。優勝トロフィーの授与式の挨拶で「やるべきことはすべてやった」とぼそっと話したチチパス選手の憮然とした表情が全てを物語っていました。ジョコビッチ選手の強さは異次元でした。最初の2セットでチチパス選手の戦略と戦術、心理と身体のコンディションまで解析し終わったジョコビッチ選手の反撃はまったく見事。回り込んだ逆クロスのフォアハンド・ストロークを封じ、チチパス選手は自滅に追い込まれました。きっと心の底から恐怖を味わったはずです。テニスはまったく残酷なスポーツですね。私が弱い理由も納得です。隣人同士が殺戮する戦乱続いたセルビアから這い上がって来たジョコビッチ選手の強靭な精神の足下にも及びません。

癌の分子標的薬のターゲットとして発見から40年、阻害剤開発が試みられてきたKRAS阻害剤がとうとう認可されました。米Amgen社が開発した「LUMAKRAS」(ソトラシブ)が2021年5月28日に米国で抗がん剤として迅速承認を獲得したのです。今回はaducanumabとは異なり臨床上の有用性(抗癌作用)が明確に治験フェーズ2(CodeBreaK 100試験)のデータで示されています。2001年5月にイマチニブが米国で承認されて始まった癌分子標的薬の第2幕が上がりました。今まで、新薬開発が困難であった癌遺伝子群に対する阻害剤の開発にも拍車がかかりました。2021年4月28日にはアムジェンが我が国にも製造承認申請をしたばかりです。

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全仏オープン、私の贔屓であるポーランドのシフィオンテック選手が準々決勝で敗退、女子の準決勝は今まで名前を聞いたこともない選手が豪打で打ち合っています。まったく誰が優勝するか予測不能です。これに対して、男子の準決勝はナダル選手VSジョコビッチ選手とズべレフ選手VSチチパス選手です。多分、大会関係者の配慮でしょうが、決勝は間違いなくベテランVS次世代のし烈な戦いになります。私の予想は、困ったことにナダル選手の優勝です。またか、というため息も聞こえますが、ナダル選手は今年も確実に進化しております。ご注目願います。

前回のメールで、20年振りのアルツハイマー病新薬「ADHELM」(aducanumab)誕生とブロック・バスターまでの茨の道を示しました。今回はaducanumab誕生を可能にしたヒトのB細胞の選抜による完全ヒト抗体の開発技術が何故、げっ歯類やウサギにアミロイド(A)β抗原を免疫して創製した抗Aβ抗体を凌駕したのか?考察します。なんと我々の身体の中に新薬の金鉱脈が隠されていました。

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皆さん、お元気ですか?
全仏オープン、錦織選手はズブレフ選手にいいところまで競ったのですが、スコア的には3:0でストレート負けです。怪我からの復帰戦で5セットマッチ2回は体力的にも負担が大きかったのかも知れません、良いコースの球が、ほんの少しだけアウトという展開が目立ちました。疲労で球の抑えが効かなかったと推察しています。次ぎのグランドスラムまでにはフィットネスとファースト・サーブを改善する課題が見えて来ました。それにしてもフェデラー選手は棄権しましたが、残るナダル選手とジョコビッチ選手の強さは目立ちます。4回戦はいずれも10代の新鋭ですが、そろいもそろって若者が試合中に故障、リタイアする結果となりました。このビッグ2の体力とコンディショニングは怪物的と表現すべきでしょう。

まさかとは思っておりましたが、米国食品医薬品局(FDA)が2021年6月7日に米Biogen社とエーザイが開発していた抗アミロイドβ(Aβ)抗体、「ADUHELM」(aducanumab)を迅速承認しました。我が国では20年ぶりのアルツハイマー病の新薬誕生にマスメディアが沸いておりますが、この画期的新薬がブロック・バスターになるまでの道のりには3つの険しい断崖を越えなくてはなりません。

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皆さん、お元気ですか?
錦織選手が全仏オープンの三回戦に進みました。しかし、一回戦から連続してフルセットの果ての勝利です。観ている方も眠気と戦う必要がありました。いい加減にすっきりストレートで勝たないと、身体と体力面のリスクが増加します。試合後の記者会見で「テニスは面倒くさい競技だ」と本音を漏らした錦織選手ですが、手術後の回復には試合を重ね、試合勘と体力を戻すことが肝心です。このグランドスラムの試練を耐えて、全盛期に少しでも近づいていただきたいと願っています。しかし、第五セット目の勝率は他の選手を圧倒しており、錦織選手の粘り強さには本当に心から敬服しています。これにハード・ウエアが追い付いたら最強の選手になるかもしれません。もっともそれに許された時間がわずかしかないのが残念です。

昨日は新型コロナのワクチン接種の予約を取るためにてんてこ舞いで、本日メール送信となりました。何とか8月にはいよいよ出張にも安心して行けるようになれると喜んでおります。リモート会議は全世界の人々とインタビュー可能で誠に便利ですが、ジャーナリストは現場を踏むことを忘れては御終いです。

2021年5月28日に菅内閣官邸の健康・医療戦略推進本部の第5回再生・細胞医療・遺伝子治療開発協議会が開催されました。そこで協議会の議論の中間まとめ(というほぼ最終案)が提示されました。中間まとめはいつも通り、利益代表の意見を取りまとめたもので、今後じっくり読んで解説する価値があるかどうか判断しますが、その会議に提出された科学技術振興機構研究開発センター(JST-CRDS)の資料が秀逸で、今回はこれを紹介したいと思っています。現在の再生医療と遺伝子治療の全貌をほぼ把握できる資料となっています。本来ならば、この現状を咀嚼して10年から20年後の世界の研究開発を見通し、そこからバック・キャスティングして戦略を立てなくてはなりません。JST-CRDSの資料は明確に、in vivo(体内)とex-vivo(体外)の遺伝子治療でブロック・バスター(売り上げ1000億円超)の医薬品が誕生したことを示していました。遺伝子治療を素直に、核酸医薬に続くポスト抗体医薬のモダリティとして認めねばならぬのです。我が国の製薬企業は準備ができているでしょうか?我が国に遺伝子治療のベンチャーは育っているでしょうか?

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皆さん、お元気ですか?
大坂なおみ選手が全仏オープン二回戦を棄権しました。試合後の記者会見拒否を声明したことに対して、選手や大会関係者からの反発を受け、1回戦勝利の後の会見拒否に罰金が科せられました。その結果、適応障害であることを公表、棄権せざるを得なくなってしまいました。ある種の悲劇です。何故、適応障害に苦しみ、記者会見には耐えられないことを事前に大会主催者に相談して、もう少し善処ができなかったのでしょうか?周りのスタッフも汗を書く必要がありました。レッド・クレーを苦手としていた大坂選手にとって、全仏オープンは大きなプレッシャーだったのかも知れません。いずれにしろ世界最高の才能をこのまま失うことは大坂選手だけでなく、皆さんの不幸でもあります。WTA(女子テニス協会)は支援スタッフを提供することを約束しました。ただの我儘ではなく、病気であるならば、立ち直ることができると祈っています。

昨日、我が国のワクチン開発・生産体制強化戦略が閣議決定されました。新型コロナワクチンの国産化が未だ行われていないことに対する国民の批判に応えようという姿勢は評価すべきでしょうが、この戦略には3つの大きな欠陥がありました。あくまでも省庁の部分最適化に拘泥し、全体最適を行う仕組みが見えない我が国の官僚制度の病にメスを入れることができていません。このままでは、2009年に豚インフルエンザH1N1のパンデミック対策に対する反省と次の戦略を記した政府文書と同じように、まったく機能も知識や危機感の継承もできない、その場限りの戦略に堕する危険性があると思っています。有事行政の在り方まで突っ込んで対策を打ち出すことができない、今の議員内閣に期待はできないのでしょうか?ため息ばかりです。

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皆さん、お元気ですか?
2021年5月30日から全仏オープン・テニスが始まります。レッド・クレイの絶対王者であるナダルの牙城は今年も崩れないのか?それともチチパス選手か、ズブレフ選手がそれを打ち破るか?大注目しています。女子では大坂選手の奮闘を期待したいのですが、まだレッド・クレイは苦手のようです。しかも試合前後のインタビューを「選手の心の健康のため」拒絶するとは、まったく大いなる考え違いです。プロフェッショナルであることを忘れてはいけません。観客や視聴者があってのプロテニスです。興行であります。東京オリンピック騒動で金まみれであることが国民の前で明白となったオリンピックでも、行き過ぎたスポーツの聖域化を国民に強いることはもうできないと感じています。

昨日、久しぶりに京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長とインタビューをいたしました。2021年10月13日から15日まで横浜+バーチャルで開催されるバイオジャパン2021のセミナーの打ち合わせと、先生のiPS細胞に対するビジョンのアップデートが目的です。昨年4月に本格的にiPS細胞のGMP製造部門とサービス事業を京都大学iPS細胞研究財団に移管、基礎研究は京都大学iPS細胞細胞研究所と、明確に区別して新たなスタートを切った山中教授は何を考えているのか?そこで語られたのはまさに、iPS細胞ver,2,0でした。

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